あの子を連れて逃げなきゃ。
此処から、この国から、この世界から。
きっと殺されてしまう。
犠牲にされてしまう。
だから、逃げなきゃ。連れ出さなきゃ。
それが俺の宿命なんだ。
早く!!
Eternity
――――――――序章・それは、悲劇の前兆。U
俺達兄妹は大神殿による孤児保護施設に入っている。
兄妹とはいっても血は繋がってない。
妹は昔、まだ両親が生きていた頃、赤ん坊の時に捨てられていたところを
両親が見つけ、引き取った子だ。
彼女もそのことは幼い頃から知っている。
それでも、俺達は兄妹だ。
血の繋がりなんて関係ない、むしろただ血の繋がりだけの兄弟なんかより、
強い絆のある兄妹だと思う。
両親が死んで、入った孤児保護施設で、
俺達はある一人の少女を見た。
彼女は神子という存在で、聖誕祭の大神殿で見た。
少女を見たとき、妹の様子がおかしかったのは
気のせいじゃないだろう。
少女は、死を望まれていた。
カミサマがそう言っているらしい。
自分の娘なのに。
「お兄ちゃん・・・・どこ、行くの・・・・?」
妹は俺がいつもと違う事に気づいたようだ。
いつもなら寝ている時間なのに、
今日に限って起きていた。
「私も・・・・行く」
眠いらしい眼をこすりながら、
妹はベッドから降りてくる。
安物のベッドはギシギシ鳴って、
他の奴らを起こさないか、不安になってくる。
「・・・別に、無理しなくても・・・・」
「嫌!!」
いつもならこんなに声を荒げる事は無い。
そんな妹に、俺は少し吃驚した。
「死ぬなんて・・・・やだ・・・・!」
昔から妹は、死というものを嫌っている。
まあそれが好きだという人間なんて一握りだろうけど。
両親が死んだときなんて、本当に大変だった。
俺だって泣きたかった。俺だって狂ってしまいたかった。
けれど妹の存在が、それを俺に許さなかった。
それほど、あの子は泣いて狂い掛けていた。
それは知っていたけど、
何故そんな良く知りもしない相手に、とも思う。
・・・そんなこと、俺が言える立場ではない。
きっとあの子も何かを感じるのだろう。
「ああ、そうだな」
その日、大神殿から神子が消えた。
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